第27号 法友工体連会報を4回に渡り,毎週火曜日に公開していきます.
活躍する工体連OB
航空の安全を支える「心」「技」「体」 松田 喜代治(ソフトテニス部 ’79 ) 私は、S54年に機械工学科を卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社し、28年間ANAの整備関連の仕事に従事して来ましたが、3年前よりANAグループのパイロットを養成するInternational Flight Training Academy(IFTA)と言う会社を運営しています。 ところで、工学部の前身は航空工業専門学校だった事をご存知でしょうか? 私は入学した当初、工学部が航空機に関係のあることをまったく知りませんでしたので大変驚きました。また、最近は、航空操縦学専修も誕生し、大変日本の空と関係があるのです。
そこでこの機会を通して、簡単に会社と副操縦士になるまでの概要を紹介させて頂きたいと思います。 IFTAは米国カリフォルニアのベーカーズフィールド(ロサンゼルスから車で2時間)にあるメドーズフィールド空港に隣接し、約87,000m^2の敷地内に宿泊施設と訓練棟、整備用格納を保有しています。 訓練は、単発の訓練機21機と双発の訓練機9機、そしてシミュレーター3台を使用し、訓練教官約60名を含め約100名のスタッフで常時約130名の訓練生を訓練しています。 ANAの副操縦士になるまでの課程は、現在私のいる米国IFTAで約2年間の基礎訓練を実施し、その後日本での6ヶ月の実用機訓練(B767,A320等)と4ヶ月の路線訓練を実施し、晴れて副操縦士としてお客様を乗せて空を飛ぶことになります。 我々ANAグループは、安全を経営の基盤に皆さんを楽しい空の旅へご案内しているので、安全の要の一つとして重要な役割を担っているパイロットの訓練は、取り分け真剣です。そして、その安全を堅持する為に大変重要な訓練がIFTAで実施する基礎訓練課程なのです。なぜならば、これまで空と縁の無かった人を含め、安全なフライトをする為の飛行技量は勿論の事、強い精神力の重要性、健康な身体の重要性をこの2年間の基礎訓練でしっかり体得するからです。 私は、新しい訓練生が来た時の挨拶で必ずソフトテニス部時代を思い起こし訓練生に「心」「技」「体」の重要性を話します。 それは、私はパイロットではありませんが、この基礎訓練を通して訓練生を見ているとまさにスポーツ選手の育成と類似しているからです。パイロットとしての適性(スポーツの才能)を持った訓練生(選手)が教官(コーチ)の指導のもとに飛行技量(テクニック)を身に付けていきますが、必ずしも上り調子で上達するわけではなく、精神面が不安定だとスランプに落ち込み、技量が低下し試験(試合)で実力が発揮出来ない場合があります。また、体調も優れないと集中力が欠如し実力が発揮出来ないので、まさにスポーツ選手と一緒です。
この様に大学4年間の部活を通し、諸先輩方の指導のもと身を持って学んだ「心」「技」「体」の重要さが、約30年も過ぎてしっかり思い起こされる日々を過すとは思ってもおりませんでしたが、引続き安全な空の運航を目指し、多くの訓練生に学生時代の経験を思い起こし、訓練の励みとなる話が出来ればと思いカリフォルニアの空の下で頑張っております。

祝 平成21年度土木学会賞(論文賞)受賞! 工学博士 灘 英樹(サッカー部 土 ’85)
学位論文の内容は、「自治体の下水道経営を長期的に検討する手法」を提案しています。 中小規模の自治体に於いては、下水道の普及率が低く、今後も整備を進めて行く必要があるにもかかわらず、財政状況が厳しく、下水道事業費が一般会計過の負担になっている場合が多い。 さらに、このような所は一般的に人口減少や高齢化が顕著であり、将来において一般会計の税収減と社会保障の負担増など下水道事業会計はいっそう厳しくなることが予想されるために検討された内容です。 灘さんは、卒業後、川田工業株式会社電算センターに就職後、29歳の時に実家のある境港市の市役所建設部に転職し、40歳を過ぎてから鳥取大学の博士課程を卒業され、その卒業論文がこの大賞を受賞しました。仕事の傍ら土日を使い、往復4時間の通学にも耐え、見事に博士になられたこと、本当に素晴らしいことです。(サッカー部 細淵祐二 ’86)
●校友連合会 能楽鑑賞会の案内
数ある大学の中で、法政大学だけが能楽研究所を持ち、能楽を研究し能楽師を表彰していること、また国立能楽堂(千駄ヶ谷)の設計が法政大学大江宏教授(故)であることをご存知でしたでしょうか? この度、校友連合会事業部は、クリスマス特別公演に校友会席を確保いたしました。 日時:平成22年12月25日(土)12:00集合、料亭弁当付 場所:観世能楽堂 渋谷区松濤 1ー16ー4 法政校友会席:10,000円(料亭弁当、おみやげ付) 申込締切:10月29日 申込先: 校友連合会事務局 担当:坂本様 FAX:03-3264-4770 TEL:03-3264-1831 能: 「養老 水破之伝(ようろうすいはのでん)」武田文志 狂言:「武悪(ぶあく)」山本則重 能: 「乱(みだれ)」武田宗典
|