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第85号 法政大学理系同窓会報を5回に渡り,毎週月曜日に公開していきます.

研究室紹介 情報科学部特集

音・言語メディア研究室 伊藤克亘教授


 本研究室は、音声認識/合成・自然言語処理・音楽情報処理などの音・言語メディア処理の研究を、人間の知覚や意図を模倣するアプローチで行っている。学生視点から見た本研究室の独特な文化は、理系的な思考能力の取得と同格に、自身の研究を正確に聴衆に伝え、有用な議論するためのプレゼンテーション技術の取得を重視する点である。
 本研究室の学生の技術力は、多くの国公立大の学生と比較した際、お世辞にも勝っているとは言えない。しかし工学的応用に限って言えば、どんな崇高な技術も、世界を革新するような画期的な論文も、伝わらなければチラシの裏の落書きと大差はないだろう。ならば、我々小粒な技術者の卵が採るべき戦略は、自身の研究の光る部分を最大限磨き上げ、学会や会議で議論することである。
 我々の身に着けたこの技術は、独創的な研究と同様に社会からも評価され、在学生は毎年学会賞を受賞し、卒業生は大手メーカーなどで技術者として働いている。
(修士2年 小泉 悠馬)


佐々木研究室 佐々木晃教授


 私たち佐々木晃研究室では、言語処理系、ドメイン特化型言語、エージェントシミュレーションなど、幅広い分野の研究を行っています。世の中の様々なシステムはプログラムは、ソフトウェアなしには成り立ちません。そして、ソフトウェアはコンパイラなどの言語処理系によってやインタプリタを通すことにより、コンピュータが理解での言葉であるきるマシン語に翻訳されてはじめて動作します。これらのソフトウェアの根幹となる言語処理系やはプログラミング言語の根幹とも言えます。この基礎研究、その技術を応用研究として、プログラミングのことをあまり知らない人や初心者用言語、経済分野やゲーム開発向け言語などといった、ある特定の対象向けの分野に特化させたプログラミング言語である、ドメイン特化型言語に関する研究をも行っています。
 他にも、自律的に行動するエージェントを設計し、それを動かすことで現象を探るシミュレーションの研究作成も主要なテーマです。プログラミング言語の基礎の理論を極めたい人や、誰もが簡単にゲームやシミュレーションなどのシステムを作ることがを開発できる世界を実現してみたい人、これらの技術をスマートフォンスマホなどの新たなデバイスに持ち込みたい人、ただ漠然とプログラミング言語に興味があるだけの人も、もちろんそうでない人も、佐々木先生の下で、作りたいものを形にしてみましょう。
(修士1年 女部田雅俊)


佐藤研究室 佐藤裕二教授


 本研究室では、単純なアルゴリズムでは解決が難しい大規模組合せ最適化問題や多峰性の探索問題を、進化計算を用いたアプローチ方法で簡単にかつ高速に求める研究を行っています。
 3年生の夏に研究室に配属され研究テーマを決定しますが、先輩の研究内容を引き継いだり、新たにテーマを設けたりと自身の興味関心に基づいたテーマ設定ができます。また、北海道大学のクラウドコンピューターを共同で使用させていただいており、並列処理による高速化の研究なども行っています。
 週1回のゼミには3年から院生まで全員が参加し研究の進捗を報告します。また今年度からDDPの留学生も研究室に配属され、英語でのコミュニケーションは勿論、英語で研究発表を聞いたりする機会もできました。
 佐藤先生は自分の頭で考え答えを出すことを大事にされる方です。私達学生も、よく考え、時には議論を交わしながら知識や交友をさらに深めていきたいと考えています。
(3年 武田由美)


花泉研究室 花泉弘教授


 人間に代わってコンピュータが画像からの情報を処理・認識するシステムを研究しています。
 研究はグループではなく個別でテーマを決め、画像処理の需要が増えている医療やセキュリティ分野の課題にも取り組んでいます。例えば医療分野ではマルチスライスCT画像を用いる腫瘤検出システムの開発、セキュリティ分野では監視カメラからの映像をより鮮明にするための手法の開発、車載カメラを用いる歩行者飛び出し検出システムの開発などです。
 全体での活動は毎週の活動状況を報告するゼミと研究に必要な知識を修得する輪講が主体です。ゼミでは質問を受けることで漠然とした考えを明確にし、その時の理解度と不足を確認できるため、有意義な時間となっています。
 本研究室はやりたいことを自由にやらせてもらえる環境ですが、自ら積極的に活動する必要があります。その中で、自分で考えて計画し実行する力や前向きに取り組む姿勢を学びました。現在は春に所属予定の学部3年生も卒業研究へ向けて自主的に輪講を行っています。
(4年 冨永菜那)