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第91号 法政大学理系同窓会報を16回に渡り,毎日公開していきます.

学部長挨拶

 理工学部は生命科学部と同時に2008年に創立され昨年度で10周年を迎えました。昨年度は、理系同窓会と共に10周年記念行事として法政大学理系同窓会ホームカミングデーを開催させていただきました。理系同窓会と共催という形で理工学部生命科学部創立10周年記念行事を開催させていただいたことに感謝とお礼を申し上げます。理系同窓会は、理工学部よりはるかに長い50年以上の歴史を誇っていますのでいわば先輩です。理工学部をより発展させるために、連携して活動を行うことや工学部時代の貴重な経験やご意見をいただけることは幸せなことだと思っております。
 理工学部は、新しい技術革新に対応できる体制とすべく2008年4月に創立されました。旧工学部から発展的に改組し、新たな科学技術の進歩に対応したものづくり力を強化するために工学だけでなく理学的センスを融合した体制となりました。2008年度発足時は機械工学科、電気電子工学科、応用情報工学科、経営システム工学科の4学科でスタートし、2011年度に創生科学科が追加され5学科体制となりました。大学院については、2013年度には工学研究科から理工学研究科に改組され、学部と大学院への6年の一貫した教育体制が整いました。このような中、2019年度の法政大学の実受験者数が日本一になりました。法政大学としての人気が上がってきたことが分かります。法政大学全体としては前年度よりも受験者数が減少している中で、理工学部は受験者数を前年度より増やしました。このように、法政大学の人気上昇に加えて理系人気も戻りつつあるように感じます。今後、理工学部は、さらに発展するための改革の時期へと変化していくものと思います。
 理系同窓会の皆様が社会において大活躍し、理工学部と連携して活動することは理工学部の更なる発展には必要不可欠と考えております。今後も理系同窓会と理工学部教員および学生の連携をさらに密にしていくことにより、理系同窓生の皆様のますますの活躍と発展を期待しています。


 理工学部・生命科学部主催のホームカミングデーにあたり一言ご挨拶を申し上げます。
 その前にまず、昨年開催した『法政大学理工学部・生命科学部創立10周年記念行事2018法政大学理系同窓会ホームカミングデー』には、数多くの皆様にご参集いただき盛大にお祝いできましたことを、この場をお借りし、心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。
 さて今世紀になって、生命や環境を対象とした科学・技術の重要性が増してきており、法政大学においても、こうした時代的要請を受け、私たち生命科学部が発足した経緯があります。現在、私たち生命科学部は、生命機能学科、応用環境化学科および応用植物科学科の3学科からなり、「生命」「環境」および「物質」の三領域の有機的連関に基づいて、最新科学の知見を活用した「持続可能な地球社会の構築」に貢献できる人材の育成や研究成果の発信に努めているところです。人類が直面している様々な問題解決のための学際的学問を学び,柔軟で総合的視点を備えた実践的技術者,研究者を育成することを目標としており、そのためのカリキュラムの特徴として、初年次から専門実験・実習科目を配して専門性を高めさせるほか、自立性やプレゼンテーション能力を涵養するための科目を設定し、英語科目、教養科目、理系教養科目の単位取得を卒業要件に含めるなどの工夫をいたしております。その規模についてみると、在校生総数は900余名、教員数は40名近くに達 しております。
 これまでの10年にわたる取り組みを経て、既に多くの卒業生を生命科学部から世に送り出して参りましたが、今後ともこうした卒業生たちが社会で活躍していくためには、法政大学を卒業された先輩諸氏(とりわけ理系学部卒業生)のご支援が是非必要だと考えております。卒業生は、最年長でもようやく30歳そこそこの若輩たちですが、これからの我が国を担っていく人材です。どうかよろしくご指導ご鞭撻くださいますよう、心からお願いを申し上げます。


 最初のコンピュータが登場してからまだ1世紀も経っていませんが、この間に、『不思議な箱』であったコンピュータと世界中を安価に魔法のように繋ぐインターネットの拡大によって、情報技術は信じられないような発展を遂げてきました。現在、本学部の研究教育の核を担う教員の多くは、この『不思議な箱』に興味をかき立てられ、インターネットの拡大と歩調を合わせるように社会が大きく変革してくるのを目の当たりにしてきた世代です。
 その一方、今の大学生にとってのコンピュータやインターネットはうまれた時から普通に身近にあり、不思議でも珍しくもないものなのです。多様な情報機器は達者に使いこなしますが、ものの仕組みに興味を持ったり、工夫したりという意識が薄くなっている面も感じています。
 学部の教育ではそのような面にも配慮して、しっかりとした基礎力を固めると同時に、技術動向に興味を持つような工夫をしてはおりますが、学生の興味を拓くには社会における技術実践の現場におられる諸先輩方のご助力は欠かせません。今後とも様々な面でご支援賜りますようよろしくお願い申し上げます。


 この4月から新たにデザイン工学部長に就任いたしました。2007年のデザイン工学部設立に対し、私は2010年から法政大学に勤めております。つまり学部設立後の着任であり、学部黎明の経験を経ていない初めての学部長ということになります。換言すれば、デザイン工学部にとっての自走期の始まりと言えるかもしれません。設立期の教授会がつくり上げた教学理念の継承と発展を任せられた重責に、日々身の引き締まる思いでおります。
 デザイン工学部は、法政理系学部の中で唯一市ヶ谷に位置し、文系学部と校地を共にしております。そのような立地に加え、デザインをとおして工学的成果を社会や文化に還元するという学際的な教育を実践している学部であることからも、法政大学における文理融合教育への取り組みが期待されております。多様化が進む現代にあっては、文理融合の実現は喫緊の社会的課題であり、任期中に与えられた大きなミッションであると受け止めております。
 幅広い教養を備えて社会や歴史を見つめ、工学的創造力をもって明日を描くことのできる多様な人材を輩出する学部を目指してゆく所存です。ご支援とご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。