第91号 法政大学理系同窓会報を16回に渡り,毎日公開していきます.
航空操縦学専修の近況
航空操縦学専修は2008年4月機械工学科に開設され、今年で12年目を迎えました。同様のスキームを持つ他大学とはひと味違い、日本の空で飛行訓練プログラムを展開、エアラインパイロットを 含め幅広い分野で活躍できる操縦士の育成、機械の解るパイロット「飛べるエンジニア」養成の理念に基づき教育を行ってまいりました。
座学教育としては、機械科学生としての学部教育、及び航空専修としての航空関連科目(必須)を行います。飛行訓練については、1・2年次に初歩の飛行訓練であるフレッシュマンズフライト及び初等Ⅰ、3年次になると、自家用操縦士課程の履修を行い、ここまでが「飛べるエンジニア」としての必修科目です。
これ以降本人の希望により「飛べるエンジニア」としての学部授業・就職活動、更なる勉強のため大学院進学、またプロパイロットを希望する者にあっては事業操縦士課程以降に進んでいくことになります。近年は航空界の大パイロット不足もあって殆どの学生がエアラインパイロットを目指しているのが現状です。
プロパイロットになるためには自家用・事業用操縦士、及び多発限定・計器飛行証明の4つのライセンスが必要となります。学部授業で124単位を取得しながらこれら4つのライセンスを大学4年間で取得するわけですから学生は完全に二足の草鞋をはいいていることになります。
又、飛行訓練という極めて特殊な訓練を安全に効率良く実施するため法政大学飛行訓練センターが設置されています。フレッシュマンズ・初等Ⅰ、自家用及び事業用課程を行う桶川訓練所(埼玉県ホンダエアポート)、更に高度な訓練である多発・計器飛行課程を行う大分訓練所、及び増大する訓練量に対応するため今年 から岡山訓練所も新設されます。
卒業生はANA、JALを含め殆どの航空会社にパイロットとして就職しています。一期生はまもなく機長になろうとしています。また、機械の解るパイロット(いわゆる「飛べるエンジニア」)もANAの総合職を始めNCA、ピーチ、SKY等に就職、文字どおり航空界の一翼をになっています。
今後とも航空専修への一層の応援、よろしくお願いいたします。