法政大学工学部同窓会
 
2023年3月28日(火曜日)
第81号 法政大学工学部同窓会報 4/10(2010年10月19日) 印刷 Eメール

第81号 法政大学工学部同窓会報を10回に渡り,毎週火曜日に公開していきます.

お茶会から始まる文化交流

理工学部  福澤 レベッカ教授 一般教養(英語)・社会科学方法論
福澤 レベッカ教授
ノースウエスタン大学 博士
―福澤先生のプロフィール

 アメリカ生まれのアメリカ育ち、イリノイ州のシカゴ出身です。中西部にある小さな大学を卒業しました。大学3年生のときに留学生として、日本の大学にきました。そこへ通いながらホームステイをして1年間過ごしたのが最初です。
 アメリカに帰って1年後に卒業し、卒業後はすぐに日本へ戻ってきました。半年間大手メーカーの非常勤の契約社員として英語の手紙を直す仕事をしていました。その後大学の教員のアシスタントを1年間勤め、そこで今の主人と結婚しました。その後大学院に行くためアメリカに戻りました。
―日本に興味があったのですか?
 そうですね。アメリカで通っていた大学には日本語の授業があり、そこで日本の歴史・哲学などといったものを教わりました。70年代にそういう授業がある大学は珍しい方だったと思います。大学には60年代から交換留学のプログラムがあり、それを使って日本に来ました。
―法政大学に来たきっかけは何ですか?
 法政大学の工学部の一般教員のほとんどは公募で雇われています。法政の工学部は「国籍を問わず」「語学だけではなく他の専門も教えられる」という先生を募集していたので、英語だけでなく自分の専門も教えられる可能性がある、ということで非常に興味があり応募しました。
―先生の研究テーマを教えてください
 日米の中学生・大学生の比較研究を行っています。専門は文化人類学です。未開民族の調査をするために現地へ行き、そこの言葉を聴きながら文法も自分で理解できるようにして、インタビューや観察を通じてその村を調査する、というものですが、博士課程での調査対象が日本の中学校だったのです。
私の場合、調査は2年半で3校へ行きました。1校あたり半年から一年近く時間をかけ、授業に参加したりインタビューをしました。それらが終わってからようやくデータの分析が始められるのです。
―日本の中学校の文化として部活動、大学でも体育会がありますが、体育会の文化というのはどう思われますか?
 現在大学生をインタビューしています。部活に入っている学生の話も聞きますが、とても面白いと思います。
 少し話は変わりますが、ゼミ制度というのは実はアメリカにはありません。教員は卒論の指導をするだけでゼミの形にはなっていないのです。日本のゼミのシステムは教授がいて、その下に学生が付く。教授と学生の縦の繋がりもあるけれど、学生同士の横の繋がりもあり、例えば先輩後輩で助け合ったりできる。そういう点は日本の大学の強みだと思います。
―休部となっていたESSを復活させた
 はい。休部となっていた文化連合のESSの復活に携わりました。初めはオフィスアワーの時間に英語の好きな学生が私の研究室に集まってコーヒーを飲みながらお話をしていました。もっと英語がやりたいという声があったので「クラブを立ち上げればいいじゃない」と声をかけたところ、学科の違う4人の学生が「そうしよう」と。それが始まりでした。
 今では登録人数も60人まで増え、学部生だけでなく大学院生も在籍する大きな組織になりました。
―学校・同窓会についてご意見をお聞かせ下さい
 ニュースを見ると英語が大事という話を良く聞きます。しかし英語は自分には関係ないという現役学生の声も聞きます。年々そういうギャップが大きくなっていると思います。OB会の方で社会に出てどういう勉強が役に立ったという情報、例えば実際の仕事の中でどういう形で英語を使っているか、等の生の声をフィードバック出来ればより良くなると思います。
―本日はお忙しいところありがとうございました!

聴き手 望月 久生(建73)
萩坂 悠樹(シ10)


 
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