第91号 法政大学理系同窓会報を16回に渡り,毎日公開していきます.
「同窓会とは?」
私は、故郷の人が集う「ふるさと会」、この規模を大きくした「県人連合会」、また同郷の産業人が集う「産業人会」などに参加している。同窓会も含め、これらはたまたま同じ学校を卒業したり同じ所で生まれ育ったことを基盤とする会であり同類である。年に一度の会で、互いの健康を確認し、自慢話をしたり、先生の悪口をいったり、また田舎の訛りで昔話に花を咲かせて昔をなつかしむ。
また私はある「国際的奉仕団体」にも参加している。会員の生まれ育ちおよび職業は異なり「奉仕活動の仲間」の集まりで毎週昼の時間に例会があり上記の会とは少し毛色が違う。ただその中で飲食を通して親睦を深めるという意味では似ている。
これらの会の表向きの前提と目的は、ふるさと愛と母校愛そして奉仕であり、ふるさとの振興と母校の振興と世界平和で、併せて会員の親睦が定番である。しかし参加は昔を懐かしむために集まる。会合の締めに、田舎の盆踊りを一緒に踊り、あるいは肩を組んで校歌を歌えば昔に戻れる。
実は、いずれもこれら同窓会、ふるさと会、奉仕団体は、共通の問題を抱えている。参加者の高齢化と参加者数の激減である。この問題は必然である。その原因は今を生きる人の集いでないことである。むろん今を生きる人で会から何かヒントを得ようと参加している人もいるが、それは稀である。
母校愛やふるさと愛、また奉仕の理想という「美しい言葉」といまを生きる人の「欲求」は同居しにくい感があるようだ。この「美しい言葉」のもとで元気になり明日からの仕事の励みになることは否定できないが、いまを生きる人の欲求に応えることがこの美しい言葉を否定するものでもない。いま生きている人が現実の価値を生み出しているからだ。だから、同窓会、ふるさと会や奉仕団体は、今を生きる人の欲求に応える会であるべきだ。このことが会の存在意義である。
「同窓会とは?」の問の答えは「今を生きる人の欲求に応える」会である。過去を振り返るのでなく未来の地平に道を拓く会である。
理系同窓会はホームカミングデーを企画しているが、昨年から若い卒業生が自らの後輩を獲得するキャリアアドバイザーを取り入れ始めた。これは小さな一歩であるが、同窓会が未来の地平に踏み出した一歩である。この取り組みを進める卒業生教授、そして同窓会活動を支援している若い教授に感謝するとともに大きな期待を寄せている。
理系学部からの情報発信
法政大学は2014年に文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)に採択されるとともにHOSEI 2030の長期ビ>ジョンの策定を行い、2017年からは個々のアクションプランを実行するステージに入りました。この間のさまざまな改革が社会的にも評価を得るようになってきたと思われ、この結果、併願を含む志願者数は2015年には93,986名でしたが、101,976,119,206、122,499と毎年1万人ベースで増加し、2019年では115,447名となっています。今年の実志願者は57,457名であり日本一となり、同時に実志願倍率も13.5と日本で最も入学しにくい大学となりました。これに伴い、理系学部の偏差値も上昇してきています。
日本の多くの大学は文系の学部から発展してきたという経緯がありますが、法政大学も1880年の東京法学社を起源として、法学部、経済学部、文学部という順に学部が設置され、伝統的に文系中心の大学として発展してきました。一方で、理系学部は1950年の工学部の設置に始まり、約70年の歴史があり、この間、日本の高度成長期の産業を支えるエンジニアや研究者を輩出してきました。しかしながら、理系に関しては積極的な広報活動が行われてこなかったために、社会的認知度は十分でないと感じています。このような背景があり、理事会として理系学部の研究の積極的な広報活動を行うことを、中期経営計画の中の大学ブランディング事業の一環として取り組んでいます。具体的には今年度末に大幅なリニューアルを行うホームページをつかっての最新の研究情報の発信や9月15日に開催する第一回法政科学技術フォーラムでの研究発表などです。この他、2018年12月11日の朝日新聞の一面広告を使った理系の研究紹介やメディア懇談会における理系の研究情報提供なども行って来ました。個々の先生方は学会において活躍されていると思いますが、大学全体として理系の研究力をアピールすることも非常に重要であり、さまざまな施策を通して精力的に情報発信を行っていく予定です。
大学が研究面で発展していくためには、ユニークな研究を行っている教員、それを事務面からサポートする職員、そしてモチベーションが高く創造性に富む大学院生などが重要です。同時にこのような研究活動を資金面を含めた様々な側面から支える校友会や同窓会も欠かすことのできない存在となってきます。ますます発展を続ける理系学部に対してご支援を何卒よろしくお願いいたします。
貴社ますますご繁栄のこととお喜び申しあげます。
さて、昨今、ご承知のように、入社後すぐに辞めてしまう人が後を絶たず、雇用のミスマッチが大きな社会問題となっており、法政大学理系同窓会としましても心を痛めているところでございます。また、このような事態を少しでも少なくするため、実際の業務内容や社風などの生の情報を学生に直接伝えられるような機会を、同窓会としてつくることはできないかとのご要望を多くの皆様から頂いております。
そこで、法政大学理系同窓会では、ホームカミングデーの一環として、卒業生から在学生に、卒業後の進路などについてアドバイスをしていただく機会を設けさせていただくこととなりました。アドバイザーとしてご登録いただいた卒業生の方には、企業名の書かれたアドバイザー用の名札を付けてホームカミングデーにご参加いただく予定です。行事の合間や、懇親会の折などに、仕事内容などについて学生とお話しいただき、学生の相談に対してご助言をいただければと考えております。また、ホームカミングデーには教職員にもご参加いただく予定ですので、教職員とも情報を共有して頂ければと思います。
なお、昨年度は約30社70名のリクルーターの皆様にご参加頂き、大学からは在校生約200名(学部および修士)、教員約50名にご参加頂きました。また、この相談会を縁に、今年度の内定に漕ぎつけた学生も出てきているとの嬉しいお知らせも入ってきております。
つきましては、リクルーターの方など、ご協力いただける本学卒業生をご紹介いただければ幸いです。卒業学部学科は問いません。ご協力いただける方は、別紙のとおり、事前にアドバイザーとしてご登録いただければと思います。お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
日時・場所
2019年11月2日(土) 13:00-18:00 法政大学 小金井キャンパス
また当日は,学園祭を開催しております。
参加費用
登録費は無料です。ホームカミングデー参加費として、一般の参加者と同額の5千円を当日受付にてお支払いください。会社名宛の領収書の発行も賜りますので必要な方はお申し付けください。
その他
理系同窓会では、会報用の企業広告および企業技術紹介を募集しております。製品の紹介から、インターシップの案内など幅広く掲載可能ですので、是非この機会にご利用ください。ホームカミングデー当日には、参加者全員に無料配布する予定です。詳細はこちらをご覧ください。