第83号 法政大学理系同窓会報を11回に渡り,毎週月曜日に公開していきます.
研究室紹介
彌冨研究室
私が所属している知的情報処理研究室では、ニューラルネットワークや画像認識の技術を使い各分野でオリジナリティを生かした新しい技術の開発を目指しています。研究室の行事は、毎月の進捗状況の発表会や夏合宿などがあります。毎月の発表会では1ヶ月の研究の成果を資料にまとめて一人15分間の発表を行い、その後に先生や先輩から研究内容やパワーポイントに対する指摘をして頂くということを1年を通して繰り返します。私はこの繰り返しによって、研究の成果を相手に分かりやすく伝えることの大切さや、資料作成の基礎を学ぶよい場面になり、今では自分を成長させるとても良い機会だと思っています。
また夏合宿では発表を行うのはもちろんのこと、みんなで海に行ったり、山に登ったりなど節目に楽しい行事をたくさん行っています。加えて、先生がTOEICや資格試験などにも積極的に関われるように配慮して下さるので、自分の興味のあることを追求することもでき、向上心ある人や自分を伸ばしたいと思っている人にはとても良い研究室だと思います。
宮本研究室
私たちの研究室では、「新しいインタラクションを求めて」というテーマの重要性を認識し、日常生活からデジタルコンテンツ生産、高度なソフトウエア開発まで、幅広い領域でコンピュータとの新しいインタラクションを探っています。
研究内容としては、コンピュータの存在すら意識させない日常の利用法や、身体の動きでアニメーションを作る方法、プログラムコードを共有して誰もが安全に利用したり貢献したりできる仕組みなど幅広く網羅しています。
卒業研究・修士研究では、それぞれの研究室生が指導教員と相談しながら自分なりに関連知識を勉強し、仮説を立て、プログラムによる実験を繰り返しながら研究を進めています。
そして、各自週に1度程度、各自の研究の進捗状況やアイデアをまとめた内容などをゼミで発表し、皆で討論しています。また各自が勉強した内容や、卒業研究テーマに関連する文献などを読んで1週間に1度発表しています。
浦谷研究室
金融工学研究室では、理論習得のために確率論、確率解析を軸に勉強している。さらに各自が株、金利、為替、信用リスク、といった分野の中から1つを研究テーマとして選び、それに関する論文で紹介されている数理モデルについて、統計ソフトのS-plus、R、C言語などを使用し、そのモデルの実証分析を行っています。
今日、企業が成長するためには何が不足しているのか、どのように事業を拡大し、リスクマネジメントすればよいかなど企業側からの金融工学へのニーズは拡大している。例えば、企業財務のブレをなくすことに対しては、金融工学の技術を用いたデリバティブによるリスク・ヘッジが必要不可欠となっている。さらに金融工学の技術は、リスクマネジメントだけでなく資産運用にも活用されており、ゼミで習得した知識や技術を実務で活かす場は拡大している。本研究室の卒業生は、大企業への就職率も高く、特に金融機関においては即戦力となって活躍しています。
木村研究室
信頼性工学研究室では、木村光宏教授のご指導の下、主にソフトウェアの信頼性に関わる研究を行っています。たとえば、ソフトウェアのフォールト(俗にバグと呼ばれるもの)は、その性質上、全数を把握することが難しく、ソフトウェア品質の阻害原因となります。そこで、統計モデルを考案し、そこに開発途上で得られるデータを当てはめることで、より正確な潜在フォールト数の把握を試みています。他にも、品質管理の応用や、確率・統計論における諸問題などを扱っており、学生の意思が実現されやすい風土です。
学生の現状としましては、2011年現在の学生数が学部生11人、院生8人と、従来よりも多くの学生が所属しています。出身学部が工学部、理工学部に分かれており、違う背景を持つ学生が入り混じることで、今までにない闊達な空気が生まれたのではないでしょうか。また、ゼミ合宿では、卒業論文、修士論文へ向けた発表が行われ、夜は楽しく交友を深めあうという、メリハリのある活動が行われています。