理工学部長 八名和夫
本年度、工学部は機械工学科、電気電子工学科、応用情報工学科、経営システム工学科の4学科からなる理工学部と生命機能学科、環境応用化学科の2学科からなる生命科学部に改組されました。2007年度、文理融合という新しい教学理念に基づくデザイン工学部が工学部から分離独立したことと合わせて一連の学部改革の完成を見ることとなります。 理工学部は構想当初の学部仮称が基盤工学部であったことに象徴されるように真に独創的なもの作りに欠かせない基盤科学技術を重視した教育研究を推進することを目指しています。工学部から分離独立した3学部のうち工学の核心を担う学部と言えます。エンジニアリングとは社会的ニーズに始まり、問題の分析、仕様策定を経て、今ある最高のテクノロジーを駆使してもの作りを進めてゆくプロセスを意味します。工学はこのエンジニアリングを体系化した学問です。一方理学はさまざまな現象の背後にある法則性を見つけ出す学問といえます。真に独創的なもの作りには工学を修めるとともに理学の深い素養が必要です。このような認識のもとに理工学部は構想されました。この理念を実現するため、理工学部では基礎教育に力点を置いています。例えば、初年次に“自然科学の方法”“デザインとテクノロジー”さらに生命科学部と共通の“科学実験”といった科目を設け広い視野をもったエンジニアを育ててゆきます。また、理工学部では履修モデルとしてコース制を設け他学科科目の履修も可能とするなど時代のニーズと個々の学生のキャリア形成志向に応じた柔軟な学びを可能としています。さらに、学生自身の問題解決能力を涵養するプロジェクト学習(PBL:Project Based Learning)の導入、在学中に社会体験をさせ勉学意欲を高めるインターンシップ、工学部時代からの伝統であるノートPC貸与に象徴される充実した情報リテラシー教育など新しい取り組みを意欲的に取り入れた教育カリキュラムを展開し、有為な人材を社会に送りだす所存です。 現在大学の価値は研究成果、教育内容と国際化のレベルによって決まると言われています。国際化についても教育面で少人数クラス導入による英語教育の強化、国際交流の推進等を実践しています。この改組に伴い2008年度に東館、2010年に北館が竣工し快適な教育・研究環境が実現します。キャンパス内の建物も一新され、新学部の快適な教育・研究環境の下、工学部の伝統を引き継ぎ研究、教育、国際化いずれの面でも優れた学部としたいと教員一同意欲に燃えています。
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