法政大学工学部同窓会
 
2023年3月28日(火曜日)
生命科学部長挨拶 生命科学部誕生! 印刷 Eメール

生命科学部長 長田敏行
 法政大学生命科学部は、工学部にあった生命機能学科と物質化学科を母体として発足したが、新たに生命機能学科には植物医科学専修を加えた。また、物質化学科は、応用環境化学科と名乗るようになった。工学部同窓会の諸兄姉に新生命科学部が何を目指しているかについて、説明したいと思う。
 生命科学とは言うまでもなく、20世紀後半以降進展の著しい分野であり、その進捗を新学部は背景としている。実際今日の日常生活においてそれらの産物と無縁であることは大変難しい。大衆メディアにおいて、ほとんど毎日のように、DNA 鑑定、万能細胞、GMO(遺伝子組み換え生物)などが登場する。その背景は、1950年代のワトソン、クリックによるDNA構造モデルの提出、2000年頃のヒト、シロイヌナズナなどの全ゲノム配列の決定である。生命科学部では、これら進展著しい分子生物学を背景として成立したのであり、その領域の推進を図ると共にそのような背景を持った人材を社会に送り出すことにある。このような動向は都内の有力私立大学においても見られ、いくつかの生命科学科の開設に見られるが、法政大学生命科学部は、これらと一味異なっているが、それは植物関連の研究領域を新たに設けたことである。 後者の点は、先頃の洞爺湖であったG8会議の主要議題は、地球温暖化阻止の問題であるが、これに直接的に関係する。というのは、植物は光合成を行うが、その折炭酸ガスを吸収し、酸素を放出するからである。当面植物医科学で植物の病気への対応を直接の目的とするが、これは地球の近未来を見据える時、重要な点であると考える。昨今、国内における食料自給率の低下が問題となっているが、これらも重要な課題である。また、新学部に、物質化学科は応用環境化学科として加わったが、近年化学と生物学が近接するようになり、化学生物学というような、領域も生まれている事と、今や化学工業も地球環境の保全を配慮しなければならないわけで、応用環境化学科がグリーンケミストリーを標榜している事にその姿勢が端的に表されている。 尚、生命科学部は理工学部とは別組織になっているが、連携して共に発展することを目標としており、実際両者にまたがるような生命工学、細胞工学に携わっている研究者もいることを付け加える。 生命科学部は、4月に発足した時点では工学部の一角を仮住まいとさせてもらっていたが、小金井キャンパスにはこの9月に新校舎である東館が完成するので、新生命科学部はそちらへ入る。工学部OB、OGには、是非訪問されてその現況を見ていただきたいと思います。

 
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